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Land for Next Generation.

伊藤大海のまちづくりな日々。

TM回想録8 運営資源がない!

今回はちょっと、生々しい失敗談です。

タウンマネージャーの仕事依頼のお話を東京で関係者の方から聞いていた時は、
「新しく出来るまちづくり会社をタウンマネージャーとして動かし、人材育成もしていく」
というお話でした。

実際に着任してみると、状況は全く違いました。
まちづくり会社はその会社のマネージャーを中心とした組織構成となっていました。
タウンマネージャーの私には、
一切の活動予算・事業予算・事業決定権・スタッフがなく、
何の決定権もない、という事がわかったのです。

ちょっと前の調査になりますが、
平成22年のタウンマネージャーアンケート調査(中心市街地活性化協議会支援センター)では
「タウンマネージャーに関する課題」
で最も多い回答は
「タウンマネージャーが活動する十分な資金がない」(34.8%)
「タウンマネージャーと一緒に活動する人材(スタッフ等)が足りない」(26.1%)
ということです。

双方とも、物事を形にし動かしていくために必要な「運営資源」です。
私は事前の話でそれらについては問題が起こらないものだと受け止めていましたので、
「自分で動かしていけるからこそ、それまでの仕事を整理してリスクをとってもこの仕事をする価値がある」
そう思っていましたし、そうやって家族を説得していました。
しかし、実際の状況に直面して、私は目の前が真っ暗になったというのが事実です。

物事を動かさないのであれば、アドバイザーで十分です。
(確かに当市の基本計画に書かれているタウンマネージャーは「マネージャー」という名の「アドバイザー」ですが…)
マネージャーである必要はありません。
そして私はこれまでの経験から、
「アドバイザー」で「成果」を上げていくという事が非常に難しいことを知っていました。
実際に物事を取り仕切って動かし形にしていく「マネージャー」と
単にアドバイスをして形になるかわからないものを側面支援をしていく「アドバイザー」は全く違うものです。
「アドバイザー」であれば、
私はそれまで抱えていた仕事や案件を整理する必要性は全くなかったのです。

自分の存在価値や意義とはなんだろう?悩みました。
行政の方に何度も現在の状況や条件が聞いていた話と違う事、
これでは物事を動かしていくことが難しいことを掛け合いました。
しかしもう動き始めてしまったこと、期待する反応は得られませんでした。

「事前の話をちゃんと記録して契約書を作っておかなかった失敗」の最たるもの、自分のわきの甘さ、大きな失敗でした。

とはいえ、このような状況でももう、やるしかありません。
私を紹介してくださった方の良心と信用、
様々な方のご理解と応援の言葉をいただいての着任でした。
それまでの年収を大きく減らし、
大きなリスクをとってまだ4歳の子供がいる家族を巻き込んで受けた仕事です。

「だめでした」では済まないし、すませたくなかったのです。

「ではどうするか?」

自分の存在価値や意義を自分から作っていくことが不可欠です。
私は「TMとして取り組んでいきたいこと」をまとめていき、行政に提出しました。

活動ではしばらくはことあるごとに
行政の距離の近い職員さんにいろいろと相談したり、お願い事をしていました。
私はそこには「チーム」という意識があり、居場所があると思っていたのです。
しばらくして「行政職員を使うのは筋が違う」というお叱りを受けることになります。
中活協事務局を使うべきだ、というご指摘がありました。
内情的には職員さんも人手不足で本業に支障が出る、という事だったのでしょう…。

9月ごろには私はすっかりと「居場所」を失っていました。

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