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伊藤大海のまちづくりな日々。

TM回想録その5 入口の難しさ

選考を経てタウンマネージャーに採用が決まったころは、バタバタしていました。

このころもっとも抱えていたトピックは

・どこに住むか
・契約条件

だったと思います。

『どこに住むか』
タウンマネージャー業務をするにあたっては、46時中その地域にいることが即応力があって望ましいというのが基本的な考え方です。
また、東京の多摩地域から竹田市までは片道、7~9時間もかかります。
初年度は交通費は支給されない予定となっていました。

そのころすでに多摩地域にマンションを購入する契約を結んでおり、その引っ越しが3月だったのです。

タウンマネージャーの求人がとても少ないので、半ば移住を断念し東京で暮らしていこうと決心した流れもありました。
まちづくりをする人間であれば本来は、大きな資産を抱えずに身軽に動けるようにしておくのが望ましいと思います。

でも、個人事業主であり、家庭を持つものとしては家族のための備えをできるときにしておくことが不可欠です。

いずれにせよ、
「新居に入居せずいきなり賃貸して大分に移住するか?」

という考えがなかったわけではありません。
ただ、そのためには準備期間がないことや、
すでに段取りを決めてしまっていること、
また、単年度契約なのでかなりの金額をかけて移住することに対してはリスクがあると思っていました。
なにもよくわからず移住して実際に続けていくことが困難だと分かっても、往復の引っ越しで100万円近くのコストをかけたうえに帰る家もない状況に家族を巻き込むのは避けねばなりません。
子供はまだ4歳、できる限りそばにいるためには単身赴任は考えませんでした。
実際に業務を始めて状況が分かってきてから判断することにしました。

 

『契約条件』
タウンマネージャーという仕事は、基本的に交渉相手は公共的な性質を持つ相手となります。
また、相手がどのようなタウンマネージャー活用意向があるかだけではなく、財源と方針があるのかは契約上重要な問題です。
なんといっても、地域のために「成果」「結果」をあげられるかどうかにかかってくることだからです。

私の失敗は、この初期の段階で最初に聞いた条件などを含めて記録づくりと契約をしっかりと書面で確認して行わないことでした。
また、詰めておくべき見解の食い違いを詰めずに進めてしまったことです。
それをせずに、住宅ローンの支払いが始まる時期にそれまでお世話になっていた各方面の仕事の整理をしてしまったことはリスキーで、とても心労をもたらすものになりました。

誤解ないようにあらかじめ言うと、私が交渉した相手先の現場の方は真摯でご自身のできる権限の範囲でいろいろと配慮してくれようとしてくれました。

それでも結果的に業務についたあと、
「話と実際の相違」「不利でリスキーな条件」
等が出てきます。
修正可能なところならまだしも、根本的なところでも起きるのです。
すると、
「その業務に注力することが難しくなり、見込みが立たなくなる」状況と
よろしくない「立場や位置づけの変化」がおこってしまうのです。
双方および地域にとって、望ましくないと思います。

事業者は物事を「投資」的にみていきます。
公共的な方面の方は「決まりごと」的にみていくのです。
これはお互いの立場的な背景からそれぞれの特性なのでしょう。
それぞれが、それぞれの背景を受けて交渉していくのです。

双方が不幸にならないためにも、
双方が務めて「適切に取り返しがつく時期に交渉し、書面として契約をする」ことが必要です。
あくまでも社会契約上、双方Win-Winな形探しが入口として大切だと思います。

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往々にして日本各地でみてきたことですが、
特に地方からすれば人材が不足し必要としている人材が来てくれるチャンスに、
ビジネス的な契約概念ではなくその地域の方式に人材をはめ込んでしまおうという癖があります。
この部分だけをみれば人材を確保したり、その能力を活かしていくうえでは決してプラスにはなりません。

タウンマネージャー人材はたいていは個人事業者となりますが、
よほどのことがない限り、交渉力という点でのディスアドバンテージを抱え込まざるを得ません。
自身がその地域のために成果をあげられる条件が得られるかどうかを強い気持ちを持って交渉していき、
いざとなれば断る退路を視野に入れていく必要があるのです。

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