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高校野球

久々に、高校野球が楽しい夏だった。

個人的には、優待するなど県外からも優秀な生徒を集めたり
する風潮がヒートアップしてきたことから、高校野球には
幾分さめていたのだが、それでも今回は楽しかった。

今回の大会は、佐賀北高校のための大会といっても過言じゃない。

延長15回の引き分け再試合。
帝京高校戦でのサヨナラゲーム。

そして、劇的な満塁ホームランでの優勝。

+++

しかし、最後に残念なことがあった。

それは、決勝戦の相手高校監督による、

「押し出しの場面のボール判定は誤審だ」

という怒りの声が公に発せられたことだ。

一生懸命、球児とともに汗を流してきた日々は、
さぞかし重みのあるものだろう。
日本の高校の頂点が目の前で手のひらから
すり抜けていったその気持ちは察するにあまりある。

しかし、怒りに任せて

「誤審だ、あれは本当は得点じゃない」

などと公にぶちまけるのでは

同じように懸命にプレーして真紅の旗を勝ち取った
佐賀北高校の球児たちがあまりにもかわいそうだ。

それに、敗退した球児たちに

「あの誤審がなければ」

などというその場に立ち止まり、乗り越えることを阻害させるような思いを
残してしまう危険がある。

+++

たしかに、その投球自体は、どちらの判定でもおかしくないきわどい球だ。
しかし、審判の判定は

「ボール」

だった。

でも、野球というルールではこれが事実だ。

その誤審を乗り越えてでも勝つのも、一つの実力だというのは、
きっと、だれよりも彼らがわかっていることではないのか。

+++

もし、これが誤審だと講義するなら、今後の高校野球のためだと
思うなら、怒りに任せてぶちまけるようなことは大人としてふさわしくない。
それで試合結果が変わるわけでもないのだ。

ただ、双方に後味の悪さが残るだけだろう。

後日、書類を提出するとか、高野連を訪れて申し入れを行うとか
そういう方法は考えられなかったのだろうか。

そして、その一方で、努力の末に負けてしまった球児たちに

「社会に出れば、このような場面はまたその人生に立ちはだかる。
そのときに、決して腐ってはいけない。
それを乗り越え、またステップアップしていくことに踏み出すのだ」

と教えることはできないのだろうか。

本当に、良い大会だっただけに、残念なことだった。

+++

でも、押し出し判定と、ホームランを打たれた野村投手の
さわやかな言葉に救われた気がする。

「悔いはない。審判が正しいから仕方ない」

彼の瞳の奥にははきっと、悔しさや色々な感情の中に、
未来が映っているのだろう。

(若さって、すばらしい!)

これからの高校野球も、楽しみだ。

 

 

 


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2007年08月23日 20:59に投稿されたエントリーのページです。

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