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2007年12月 アーカイブ

2007年12月19日

だまされない消費者になる。退去時のこと。

いきなりですが、転居をしました。
同じ川崎市内で、旧居から徒歩10分くらい。

多摩丘陵の丘の上のテラスハウスで、
富士山が眺められる気持ちの良い家です。
「新築・ペット可」だったので、床にコルクマットを
全面にしいたり、柱にカバーを掛けるなど、
まさに一月がかりの転居でした。

+++

昨日、旧居のマンションの管理会社の原状回復査定
(部屋の損耗状況をチェックし、原状回復が必要な
場所を洗い出す作業)
に立ちあいました。

事前に、
物件の契約書をよく確認し、国土交通省の出す
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(改訂版)」(900円)
を購入し、
「消費者契約法」
を確認しておきました。

ちなみに、以下に書くことは色々と調べて、勉強した内容を元に
自分が解釈している考え方ですので、必ずしも正しくないことも
あるかもしれませんのであしからず。

+++

管理会社の人が来て、部屋の隅々までチェックしていきます。
前日に、家内と二人かかりで室内だけでなくベランダなど隅々まで
洗剤や重曹などを用いて掃除しておきました。

+++

管理会社の人も手馴れたもの、隅々までチェックしていきます。
ネコが爪をかけてしまったクロスの部分はもちろん取替え。
「え、こんなのまで?」という小さなしみも、クロス取替え。
(通常生活上のしみだと思うんだけどなあ)
たたみは1枚だけ、サビによるしみがついたので補修が必要に。
台所は油汚れのクロスは「自然損耗」という確認をして大屋さん負担。

結局、二部屋のクロス・ふすまをほぼ全換え、となったわけです。

で、

「クロスとかは、償却をした額での負担になるんですよね?
(償却期間6年 居住は2.5年だから、6割ぐらい?)

と聞いたら、管理会社の方はむっとして

「それは後でちゃんと見ないと判りませんっ!」

+++

それで終わりか、と思ったら、最後、管理会社の方がさらり。
「あとは、クリーニングが入りますので」

自分「そうなんですか。それはだれの負担ですか」
管理「賃借人(つまり自分)の負担です」
自分「え、そうなんですか」
管理「ええ、皆さんそうしています。普通はそうです」
自分「何のためのクリーニングなのですか」
管理「お宅だって、ここ入居するとき、きれいだったでしょ?
   きれいだったから、ここを選んだのでしょ」
自分「それは、次の入居者のためのクリーニングですか?」

管理「そうです」

いや、驚いた。

自分「次の入居者獲得のためのクリーニングは、 大屋さんの投資ですよね、
   それを、なぜこちらが負担せねばならないのですか」
管理「じゃあ、部屋中隅々までそこまできれいにして出て行ってくれればいいですよ」
自分「部屋は日常的な通常の清掃はしています、それ以上の義務はありますか?
   実際、部屋は汚くないですよね」

※「原状回復」とは、入居時の状況そのもののことではなく、
そこから通常生活および自然的な損耗を差し引いた状態。

管理「でも、お宅が入るときもクリーニングが入っていたでしょ。
   汚かったらこの物件を選ばなかったでしょ!」
自分「そんなのこっちは知ったこっちゃありません!大家さんが
僕という客を獲得するためにやられたことでしょ!」

話にならないので、ここでカバンから

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(改訂版)」

を取り出して該当ページを先方に提示した。
そこには、

「全体のハウスクリーニング(専門業者による)
賃借人が通常の清掃を実施している場合は次の入居者を
確保するためのものであり、賃貸人負担とすることが妥当と
考えられる」

と書いてあるので、それを見せながら読み上げたら、ちょっと
判ってもらえたようだ。

管理「でも、これ(ガイドライン)は絶対ってわけじゃないですよ」
自分「そうですね。ガイドラインに反したこともできますね」
※基本的に、ガイドラインと違うような特約が契約書に記載されていて、
お互いがきちんと共通認識を持っていた場合は、
ガイドラインではなくその特約が優先となる。

管理「契約時に押していただいた判は何なんでしょうね」

自分「契約書、今、もっていたっけな」
管理「持っています」

しかし彼女はなぜか、カバンに手を伸ばしかけて、急にやめた。

※契約書にハウスクリーニングの条項はたしかに「特約」という形で載っている。
それにはこうある。
「清掃が不充分な際のハウスクリーニングの費用は賃借人の負担とする」

ただし、先ほどのガイドラインの通り、賃借人に基本的に求められているのは
「通常の清掃」であって、特約で具体的に指定されていない限りはそれ以上を
負う義務はないように考えている。
ペットを飼っているが、それに対して「必ずハウスクリーニングを、どの程度する」
といった特約は書かれていないのだ。(別紙のペット飼育許諾に関する取り決め書にもない)
そして何よりも、契約時に「清掃が不充分な際」の具体的内容については
説明を受けた覚えがなく、つまるところ「不充分な清掃」の定義がない。
しかるに、「無条件にハウスクリーニングを費用負担」という特約は成立しないと
考えている。
契約上で賃貸人は、賃借人に対して十分に説明をし、誤解ない様にしておく
必要があるのだ。

+++

不動産賃貸契約においては、概して賃借人が不利だ。
よく、
「契約時にしっかりと内容を見て、不当な文章は削除してもらう」
といったことが言われるが、魅力的な物件ほど
「そんなこというなら貸さないよ」
と言うリスクも大きくなるだろう。
そもそも、この売り手が買い手を集めるために色々とお金や知恵を出す時代に、
いまだに「礼金」とか言うのをとっているようなレベルなのだ。
逆に
「今ならひと月、家賃無料キャンペーン」
とかあってもよさそうなものを。

その上さらに、退去に当たって賃借人の無知に付け込んだような
不当な要求が普通にされてくる。
賃借人は得てして、住んでいるうちに自然についた損耗や汚損、あるいは
少々の過失的な傷が思い当たるから、敷金が返還されないのも仕方ない、
等と考えてしまう。
本当は、敷金が返還されるのが当たり前なケースだって多いのだ。

・月々の家賃には、小損耗への修繕費が含まれており、退去時にそれら
小さな損耗に対する費用負担はする必要がないこと。
・「現状の回復」というのは、入居時と同じピカピカの状態ではなく、
その状態から自然損耗と、通常生活上の損耗を差し引いた状態にすることであること。
・次の入居者を獲得するためのハウスクリーニングやリフォームは、
賃借人の使用状況が悪かった、清掃をしていなかった、などの事情がない限りは
大家による「顧客獲得」の投資であり、賃借人がなんら負担することがないこと。
・費用負担をするにも、基本的には襖や障子などを除き、クロスなど償却期間が
規定されているものについては、その償却額を考慮した負担額となること。
(例えば、クロスであれば、償却期間は6年、残存価値10%なので、「全額負担」
といわれた場合も、その10%分払えばよい)

などなど、それらをしっかりと説明している大家さんや
不動産会社はどれくらいあるだろうか。
そんなにないだろう。

だから、消費者も勉強をしっかりせねばならない。
それらを知っている、知っていないでは大違いなのだ。

そしてもう一つ。
事業者は、 相手の無知や良心に付け込むような不誠実はやめるべきだ。
確かに「短期間で退去されては、リフォームのコストと実入りの割が合わない」
という大家などもいるだろう。
しかし、短期間で退去されるのにも理由があるし、第一、それは
大家側での都合でしかない。どのような経営努力をしているのか、というのも
重要なポイントになってくる。

これから人口減少の時代にあって、不誠実が招く不振と評判が
だんだんとボディーブローとして効いてくるに違いない。
ダメージが蓄積されたときに気づいても、もはや手遅れなのかもしれない。

+++

いずれにせよ、管理会社からどのような見積もりが上がってくるか、注目したい。
ここで、不当な額による請求も十分考えられるからだ。
今後の想定されるケースに対しても、対応策は用意している。
ちゃんと納得できるような形にして、この件は終わらせたいと思う。

 

だまされない消費者になる 朝日新聞勧誘員がやってきた

引っ越して、すぐ、やはりやってきた。
新聞の勧誘員。
別に、勧誘員が来るのが悪いとは思っていないのだが、
色々なケースを知っているだけに、一定の緊張感がある。

で、やってきたのが朝日新聞の勧誘員。
日本語が達者な外国人の人だった。

日曜日の18時くらい、まだたまっている荷物を片付けている
真っ最中だった。

あらかじめ書いておくと、 特段自分は朝日新聞が嫌いなわけじゃなかった。

+++

ピンポーン。と呼び鈴が鳴る。

自分「どちらさまですか」
勧誘員「近所のものです。引っ越しのごあいさつに来ました」
自分「はい、どなたさまですか」
勧誘員「近所のものです」
自分「ええ、どちらさまですか」
勧誘員「引っ越しのごあいさつに伺いました」

自分「だからどちら様な・ん・で・す・か!(怒)」

勧誘員「坂の下の朝日新聞と日経新聞を配っているところです」

ほ~ら、やっぱり勧誘じゃんか。

自分「自分は以前、読売に関係していたので、読売にしますから」

すると

勧誘員「読売もウチで配ってます」

「んなわけあるか、コノヤロウ」
と思って、思わずドアを開けてしまった。
しまった、術中にハマった。
まずはドアを開けさせるために、どんなことでも言うのだ。

すぐさま、勧誘員は

「日経にいらっしゃったんですか」

と言った。
これは、自分が
「読売もウチで配っている」
と嘘をついたことを帳消しにするために、

「読売と日経を聞き間違えた」

という虚偽の事実を作るための芝居だろう。

そして

勧誘員「お引っ越しおめでとうございます

といって、ドアの隙間に体を押し込んでくる。

これも、勧誘員の手法だ。
かんたんにドアを閉めさせないために、足をドアのすき間に差し込んだり、
体を入れてくるのだ。

勧誘員は、朝日新聞のロゴを親指で隠しながら、名刺を渡してくる。
とりあえず、証拠品として回収。

自分「今、取り込んでいるから帰ってください」
勧誘員「そんなことを言わずに、朝日新聞、いかがですか、まずは短期間で
いいから」
自分「だから読売にするんです」
勧誘員「読売新聞には学生時代に関係していたんですか?」

なんだよ、ちゃんと読売と関係があったってことを認識してるじゃないか
(さっきの「日経にいらっしゃったんですか」を嘘と認めてるじゃん)

自分「いま、忙しいんです」
勧誘員「今、キャンペーンやっていて、しばらく無料で入れさせていただくので、
    精一杯がんばりますから」
まずは特典をエサに探ってきたようだ。
勧誘員はこちらの都合を無視して何とか自分のペースに持っていこうとしている。

自分「いえ、いりません。」
勧誘員「お願いしますよ」

自分「これ以上いたら、不法侵入になります。お帰りはあちらです」

勧誘員「そんなこといわずに。読売新聞は今もお勤めですか」

目先を変えるつもりらしい。

自分「不法侵入で電話しますよ」
(後ろを向いて電話機を取りにいく)
※本気で電話する気だった

勧誘員「そんな、電話するとか言わないでください。まずはお試しで無料で
     入れさせてください、お願いします」

自分「帰ってください」

勧誘員「そんな、こちらも色々と…」

泣き落とし系を試し始めたようだ。

自分「大変ですね。名刺はもらっときますから帰ってください。」

勧誘員「ダメですか?おねがいしま…」

日本人は概して”押し”に弱い。だから、しつこく押してくるのだ。

自分「帰ってください(怒)」 
(といって体を外に押し出す)

※実際、こっちは連日の引っ越し作業でえらく疲れている上に忙しいのだ。

勧誘員「お願いしますよ。また来ます」

+++

断言できます。

この新聞は、まず購読しないでしょう。

おそらく、一生。

たった10分で、見事に生涯顧客を失ったわけです。

☆損害額の試算☆

月々、朝刊のみで3600円とする。

私があと40年生きるとする。

40年×12ヶ月×3600円=1,728,000円

+クチコミ。

+++

後日、私がいないときに来たときのことを考え、
家内には

・ドアを絶対開けないこと
・相手が例え「ご主人に良いといわれた」「お渡ししたいものがある」
といっても、自分は何も許可してないし、絶対あけないこと

を伝えておいた。

+++

やっぱり、売り手と買い手の信義関係だと思うんですよ。
売ることばかり考えず、信義関係をいかに作れるか。
相手に合わせて、そのためにすべき姿勢と、提案はいかなるものか。

営業は、やっぱりそこが一番大事だと思います。

 

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