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車検での出来事

普段から仕事に多用している自動車を2回目の車検に出してきた。
ロードスターNB型は専用バッテリーを積載しているので、
バッテリー交換に3万円もかかってしまった…。

バッテリーが専用なのは車両の前後重量配分を限りなく
50:50に近づけるために適正な重量とするためなのだ。
その重量配分による取り回しのよさが、この車の魅力でも
あるのだが。

余談はさておき、車を受け取ってから、すこぶる調子がよい
愛車に乗って帰宅するときのこと、一つだけ問題が発生し、
その後、整備を依頼したマツダのディーラーとやり取りすることに。
そのことをメモ代わりに載せます。

+++
なじみのディーラーの人ではなく、他の担当者と引き渡して続きを済ませ
車両を受け取り、ディーラーを出た。

しばらく走ってから、ステアリング右につけてあるドリンクホルダーから
いつも昼夜着用している薄い茶色のサングラスを取り出し、
着用することに…。

しかし、着用できない!!

それでも無理に着用したらすごい違和感だ。

まず、サングラスがすごく開いていて、自分の耳にかからない。
そしてもう一つ。
片目が茶色で、片目がいつもの風景だ。

なんと、レンズがない。

壊れている…。車を預けるときも着用していて、問題はなかったのだが。

ロードスターは車体が低いのと、最近HIDなど、街中で過剰なほどに
明るいライトをつけている車が多いのでサングラスは必須だから、
これは弱った。

まあ、このサングラスも古い。決して丁寧に扱っていたわけでもないし、
ブランド品でもない、4年ほど前に1万円弱で購入したものだから、
むしろ新しいものを買う機会ができた、とでも考えることはできる。

しかし!

車両引渡しの手続きのときに、何も報告受けてないんですけど…。

これが一番、腑に落ちなかった。

それって、信義に反しませんか?

+++

帰宅してから、なじみのディーラーの人(というか、今は店長さんですが)に
電話を入れる。
彼は、自分にとってロードスターの師匠の一人みたいな人だ。
購入するときの話し合いのときなどは、何時間もかかるので一緒に
飯を食べまでした。
自分が
「AT(オートマ)のロードスターがいい」
といったとき、即座に彼は言い放った。
「大海さんがATのロードスターに乗るのなら、私は大海さんにロードスターは売りません!!」
私は目を丸くする。
「それほど、ロードスターはMT(マニュアル)で乗るのが楽しい車なんです!!」
私は素直に彼の言に従った。そして現在は、つくづくMTでよかった、
などと思っているのだ。
彼自身もロードスターに乗っているし、ロードスターに乗る人の
車への「愛着」について、よく判ってくれる。

今回も整備についていろいろと相談に乗ってくれたので、一通りお礼を言う。

「でも、一つだけ、腑に落ちないことがあり、いわないといけません」

「どうしましたか?」

「サングラスが思い切り壊れてました」

かくかくしかじかと状況を説明。

「でも、サングラスについてはもう古いし、
買い換える機会ができたと思って別に”どうしてほしい”ということはないんです」

そして

「ただ、なぜそれを引渡しのときにちゃんと伝えてくれなかったのか、
それが腑に落ちません。これって、信義関係ですよ!」

といつも営業店で彼と話をするときと同じように普通に会話する。

「本当に申し訳ありません、すぐに担当者などが把握していたのか、
壊したことがあったのかなど調べます」

そして店長さんは続けた。

「でも、本当にそれを言っていただいてありがとうございます。
それをいっていただかなければ、気づかず、また同じ間違いをして、
ご来店いただくお客様にご迷惑をかけてしまったかもしれません」

私はこの店長さんのこのようなところが好きだ。
(だから、この店長さんからは過去に2台の車を買ったし、友人にも紹介した。
しかも、本来営業スタッフの一員だった別の店舗から移ってきたときに、
自分も担当店舗をかえてもらったほどだ)

+++

企業や店舗のマーケティングで、

「クレームへの対応に対する不満から去っていく客」

以上に、一番怖いことの一つに

「黙って去っていく客」

がある。

これは、クレーム事由が発生したときに、それを店舗に伝えることなく、
その代わり、二度とその店舗に来ない客だ。
店舗としては、そのようなクレームの事由が発生していたことすら気づく
ことができず、結果的に、問題を発生させたことを将来的にも
続けてしまい、それだけ評価を下げていく危険性を持ち続ける。

さらにこれは、店舗側が信頼回復のチャンスをまったくもてないだけでなく、
その客を通した口コミが発生するときは、必然的に悪い体験が伝え
られることになり、「影のダメージ」が発生する。

+++

今回の件も、私にとって見れば、
「もうサングラスを買い換えるし別にいいや」
ということだってできたのであるが、
これまでの彼(店長さん)との付き合いを考えれば
それは気が進まないことだった。だから電話したのだが、
彼は店舗としてのサービスのあり方だけでなく、
ちゃんとその気持ちも汲み取ったのだろう。

+++

電話を切って、5分ほどしてすぐに彼から電話がかかってきた。

先ほどの電話からすぐに、スタッフに確認をし、注意したのだという。
さらに、明日の朝礼でもまた今一度話をして、徹底する、と言った。

「わざわざありがとうございます。また、よろしくお願いします」

と言って、電話を切った。

+++

ちなみに、クレーム事由が発生したとき、
ちゃんと対応を怠ることがなければその客はむしろ、
信用をしてくれるようになる。
クレームは店舗や企業にとっては、一つの機会でもある。

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2008年03月27日 19:49に投稿されたエントリーのページです。

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