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背中を押す言葉

色々とやることはあるのですが、今日は記事を二つ更新します。

昨日、知り合いの女性と、その彼氏、ほかに3人の診断士の方と呑んだ。

その女性の彼氏が、診断士を目指しており、ゆくゆくは独立したい、
ということでなんやら話が聞きたい、ということらしい。

4時間ほどの時があっという間に流れて、彼氏も
「なんだか新しいヒントや考え方が得られて、やれそうな気がしてきました」
と明るい表情を見せてくれたので、ヨカッタヨカッタ、というところだろうか。
答えを求めず、自分で考えをまとめようという彼の姿勢に感心。

++

私は大学を出て、情報処理関係の会社に3年間勤めに出たあとで
中小企業大学校に通い、独立した。

会社を辞めたとき26歳。独立したのは27歳。
組織から離れてあっという間の6年、思えば年数的にはもはや駆け出しとはいえない。

しかし、未だ若く、実家の事業も決して順風ではなく家計をチョコット支えていた
当時の私にとって、会社を辞めるのはとても悩ましいことだった。

自分は、学生の頃からまちづくりの仕事がしたかったし、
将来はそういう仕事をしていたい。
一方で、会社を辞めてしまえば収入はなくなるし、仕事を取ってやっていける
保証なんてどこにもない。
上司や先輩に相談しながらも、なかなか決断できないでいた。

ある日、向かい合わせに開発端末が並んだうちの一台の端末で、
自分の作業をしていた。
目の前には、どちらかというと同じグループのメンバーとつるまずに
アウトサイダーな立ち位置をとっている感のあった30代の上司Aさん。
彼は、仕事はそこそこやって抱え込まず、あとは自分の好きな音楽の作品作り
なども熱心にやっている人だった。

自分は彼との関係も良好だったので、案の定相談をした。

私「カクカクシカジカで、会社を辞めて本当にやっていけるか、辞めていいのか
決断がつかなくて」

一通り話を聞いた彼は、一呼吸置いて、自分の開発端末から目を離さずに
言った。

Aさん「大海さ、今、結婚して子供いる?」

私「いいえ、結婚もしてないし、子供もいませんよ」

Aさん「そうだよね、ご両親は?」

私「元気で健在です」

Aさん「そうなんだ。大海、今何歳?」

私「今は25歳(相談当時)です」

Aさん「失うものって、何かある?」

私「…(そういえば、特にないなあ)何かあっても、困るのは自分だけですかね」

Aさん「だろ?じゃあ、何を悩んでるんだよ?」

「失うものがないなら、やればいいじゃないか」

この一言が、自分の背中を押した。

ガーンッ!と頭をたたかれたような衝撃を受けて、

「そうだ、やろう!何があっても、俺次第じゃないか!」

と思えたのだ。

そして、そういう言葉を投げかけてくれた上司を心から尊敬した。
会社の利害ではなく、人間として自分に話しかけてくれていることが
とてもうれしかった。

自分も、こうやって人の背中を押せる人間になろう、そう思って、
今も仕事をしている。この経験から生まれたフレーズ、

”踏み出す勇気、豊かさの探求―”

は自分の事業の理念であって、キャッチフレーズ、であって、
そして人生の命題でもある。

+++

そういえば、創業当時方大変お世話になり、今も色々と私を見守ってくれている
診断士のK先生にも、よく言われたなあ。

「取り返しのつく失敗なら、どんどんしなさい」

これも、Aさんの言葉と同じなんだな、そう思った。


人を傷つけるのではなく、否定するのではなく、相手を勇気付け、
踏み出すことを助けることが出来る言葉。

そういうことをいえることが、自分にとっては診断士としての価値なのかな。
ふと、考えた。

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2008年12月17日 15:56に投稿されたエントリーのページです。

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