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2007年04月 アーカイブ

2007年04月11日

インターネットのちから

自分が飼っているフェレットという動物を虐待する様子を
動画で撮影し、インターネット上で公開、インターネット掲示板で
「虐待だ」という閲覧者の指摘に対し堂々と「反論」していた
30歳の男が逮捕された。

☆引用 はじめ☆

フェレット虐待→ネットに動画投稿の会社員を逮捕
4月11日14時45分配信 読売新聞


 ペットとして人気の高いイタチ科の小動物「フェレット」を虐待している映像をインターネットの掲示板で公開していた事件で、 神奈川県警生活経済課は11日、同県厚木市東町、会社員森山慎一容疑者(30)を動物愛護法違反容疑で逮捕した。

 調べによると、森山容疑者は2月上旬、自宅で飼っていたフェレットの頭を手で殴ったり、 のどを押さえつけて呼吸困難にさせたりして虐待した疑い。調べに対し、「ストレスのはけ口だった」と供述している。

 森山容疑者は3月3日未明、ネット掲示板「2ちゃんねる」に、 虐待の様子を撮影した動画を投稿したとみられる。県警には映像を見た人から、捜査を求める通報や嘆願書が数百件寄せられた。  

☆ここまで☆

虐待の内容も、首を絞めたり、痛めつけたりとひどいものであったとはいえ、
この一件は現代社会を象徴するものだと感じた。

小動物の虐待は、日常的に起こっていることかもしれない。
しかし、それをインターネットで「披露」した。そして、掲示板ではほかにも、
「フェレットの歯をニッパで切った」「掲示板での追求が激しいので、フェレットを近隣の公園に放した」
といったことを書いている。

今までは、小動物の虐待で、警察が動いて「逮捕」され、実名報道
されてきたということはあまり記憶にない。

しかし、この件では、警察がその動画の公開者を割り出し、逮捕し、
実名を公表したのだ。

そして、重要なのは、その警察の動きの背景には、
動画を見て心を痛め、怒りを覚えた人々による警察への働きかけが
多くなされた、ということだ。
そして、掲示板に参加している投稿者による、犯人の特定も進められていたようだ。

+++

掲示板による「犯人」の特定は、実は結構行われている。
他人の自動車に乱暴を働いて傷をつけ、相手に土下座させた、
と自分の公開するインターネット上のページに記事を書いた人物が
いたのだが、この人物も、名前も、顔も、住居もすべてが特定された。

また、猫を虐待した画像をのせて逮捕された福岡の男も
警察が逮捕する前に、インターネット上ではほぼ特定されていたと記憶する。

+++

これらのインターネットユーザーは、いまや、良くも悪くも大きな力を持っている。

今回のように、良心的なものもある。(ただ、良心的だからといって、方法として
正しくないときもあるが

一方では、インターネット上では朝鮮の人々、障害者の人に対する差別用語が
もはや違和感なく飛び交っている。
先日、逮捕された小学校教師が公開していたような悲痛な事故死者の画像の例のみならず、
残虐な動画や画像、卑猥なものだって、
小学生なども、簡単にそのような情報に触れられる。

そして、いまどきの小学生は、「死者は生き返る」という認識を持っている者も
少なくないと調査されている。

+++

インターネットは国家権力だけではなく、マスコミや企業への大きな働きかけの
力をすでに持つのだ。
メーカーや保険会社の不条理な対応をインターネット上で公開して、
社会の力に変えた例などは、インターネット普及期にすでにあるのだ。

ときに、インターネットはそれらに大きな影響を及ぼし、個人にだって破滅的な
結果をもたらすこともできる。

一方では、「インターネット発」アイドルの誕生など、今まで埋もれていたものに
チャンスが生まれている。ツールは使い方しだいで常に両面価値的だ。

だからこそ、企業のあり方が問われる。コンプライアンスだ。
いや、突き詰めれば、それは個人の倫理観にも当てはまる。

最近、インターネット上では、とある掲示板の「援助交際」に関するコメントを
世界に名だたる大手家電メーカーのサーバーを経由して書き込みが行われたことが
判明し、話題を呼んでいる。
ちなみにくしくも、そのメーカーとはこの日記の冒頭のフェレット虐待の会社員と
同じ会社だ。

この「インターネット」の力をあなどってはいけない。
経営者は当然、従業員の「個人の倫理観・道徳観」のあり方を軽んじてはいけない。

自社・自分にとってマイナスに働かせるのではなく、いかにこの声をポジティブな方向で
自分たちの味方にできるか、ということが重要なのである。

そしてそれは表面的なことではない。
見た目はよくても、実態が伴っていなければ、やはりインターネットの
負の力を受けることになるだろう。

企業は、このようなインターネットへの対応をもっと重視し、方針を明確に
もって実践するべきである。

そして、くどいようだが、それは小手先ではなく経営レベルからでなくては意味がない。

+++

それにしても、である。

インターネットは、一つの世界、一つのルールを作り上げている。
しかし、その仮想世界のルールを、現実世界に持ち込む風潮が
近年随分見られるようになってきたと思う。

しかしながら、基本はやはり、「現実世界」であって、
「仮想世界」は現実世界のルールに準拠しなくては、
社会的破綻の懸念は実現することになる。

何でもかんでも規制するというのではない。

しかし、無責任に何でも言ったり、何でも見せたりすることが「自由」ということではない。
「自由」には、「義務」が伴うからで、その「義務」には現実社会的に通用しうる
人としての良心は不可欠だ。

そして、現実と仮想の切り分けをしっかりと認識できる教育を進める必要がある、
ということだ。このことに関して、今の日本社会はあまりにも無防備だ。

そのことを、社会はもっと重視してもよいものではないか、と思う。

 

 

2007年04月17日

二つのクレーム対応 その1 

※当文章の転用・転載・引用・抜粋はお断りします

1週間ほど前だろうか。大手証券会社のインターネットサービスから、
家内のインターネット株式取引口座の申請をした。

昨日、帰宅してみるとマンションの集合郵便ポストにこのA4サイズの
申込書一式と冊子入りの封筒が折りたたまれて入っていた。
小さいポストである。引っ張り出すにも分厚い冊子が引っかかりちょっと難儀した。

そして、取り出してみて、唖然。

封筒の下部が破れて、あるいは、破られて「全開」になっている。

SANY0115 実物

真ん中にひっかかったあとがあるのはポストの中でひっかかったもの。

SANY0117 きれいに切れている

 あわてて中の書類を確認する。

そこには、インターネット上から申し込む際に入力した家内の
名前だけでなく銀行口座、年収、職業などが一通り記載されていた。

「え、これ、誰か見たの?」

これがそのときの感想。

「それとも雨で開いたのだろうか?」

それにしても、きれいにやぶれている。

 


 

警察に電話しようか?悩んだが、とりあえずは調査が先だ。

すぐに、証券会社の窓口に電話した。

■ここで私が伝えたこと

【要望】関連部署に対し、 この件についての原因と対応をフィードバックしてほしい

1.個人情報に絡む件、犯罪もありうる事件なので、 この件は非常に憂慮している

1)問題点が二つあるのではないか

 ・個人情報を取り扱う封筒なのに、簡単に破れる(破られる)素材でできているのは
  問題があるのではないか

 ・個人情報取り扱いに対して、配送業者に注意を喚起し、しっかり管理するのも
  御社の責任ではないか

総じて「サービス提供者の意識として」問題があるのではないか。

 

☆この件に対するサービス窓口の一次回答

・封筒の件について
素材等を含め、このような苦情を承ったことを関係部署に厳しく伝えおく

・配送業者の件について
このような苦情があったことを、関係部署から業者に注意を促すように伝える

・申込用紙が雨などでぬれて使い物にならなくなっているか?
(その場合、再度発送する)

☆一次回答に対する私の回答

【要望】この封筒がどのような経緯で開封されたのかをしっかり調査してほしい

・この件は、仮に誰かが「故意に開封していた」としたら、「事件」 であると考えている

・その意味で、「ただ関連部署に伝えおく」という回答で納得できるわけがない

・事件であれば、被害届を含め、検討しなくてはならない

・必要であれば、メールに画像を添付して送付する。特定のアドレスを教えるのが困るなら、
ネット上からそちらに閲覧していただけるよう、作業するのもやぶさかでない

・申込用紙に関しては、再度送られても、このような情報の取り扱いを受けるのでは
到底安心してお任せすることはできない。申し込み手続きはここでストップしたい。

この時点で、証券会社より「後ほどご連絡します」とのことで電話を切る。

 


 

2時間後、管理職と思われる男性から電話を受ける。
非通知着信のようであったが、当方は非通知着信を拒否しているので
直後に番号通知でかかってきた。

一通りの謝罪のあと、報告を受ける。

☆報告事項

「当方発送時には、封筒に破損はない」

・今回の冊子小包は、印刷・発送を依頼している印刷会社から発送されている。

・印刷会社では、発送前に機械で郵送物のチェックをしており、その時点で破損があれば
 対応している

・金曜日の19時には集配局の蕨郵便局に持ち込まれている

・封筒に関しては、関連部署に必ず話をあげる


☆私の対応

「配達員までしっかり調査してほしい」

・今回の件は、場合によっては事件として扱われる案件である

・御社の発送時に破損がないという件は了解、収集後の問題と捉える

・しかしながら、結果は収集後以降の出来事とはいえ、起因する原因は
封筒の素材を含め、御社にもある事は変わらない

・また、配達時、配達後に発生したことだとしても、
御社も(人ごとではなく)それを把握している必要があるのではないか
(把握していなければ、社会的大問題につながる恐れがある、あるいは
賠償請求などを検討する必要がある、の意)


☆私の対応への反応

「さらに調査を進める」

・確かに、当社としても把握しておく必要があると考える

・さらに調査し、明日、また報告する(このとき17時くらい)

☆私の反応

明日の報告、了解、お願いします。

 


 

明日、といっていた報告は、それから1時間ぐらいして、当日内にからかかってきた。

☆2度目の報告

「登戸郵便局より報告させる」

・配達した局は、登戸郵便局である

・登戸郵便局に連絡し、担当者が戻ったら事情を聴取し、伊藤のほうまで
報告するようにお願いした

・報告を受けるのに都合のよい日時を教えてほしい

 


 

【今回の証券会社の対応にする評価】

・封筒の件に関して
☆評価できる点
職業・年収だけでなく、銀行口座さえも特定されてしまう情報を収納する
封筒の素材が、雨や人によって簡単にあけられてしまうものであったことに
対して、問題点を率直に認めた。
また、その件については、必ず該当部署に伝達するということであった。

☆改善を願いたい点
しかしながら、具体的対応策などは提示されなかった。


・配送について
☆評価できる点
比較的迅速に、「印刷業者」「郵便局」にたいし調査を行い、その都度、
報告をしている。

☆改善を願いたい点
最終的に、こちらと郵便局の直接のやり取りとされたことは残念である。

その理由は2つある。

1)結局、最後まで責任を持って、対応をしてもらえないのだろうか。

2)証券会社側がしっかりと郵便局からの最終報告を受け、その結果を元に
自社としてもとるべき対応を図らないのだろうか?という疑問を持つ。

それと、電話してくるとき

「非通知」

で掛けてくるのって、

それってすごく失礼&無責任ではないですか?

 

 

つづく。

 

 




 

二つのクレーム対応 その2

※当文章の転用・転載・引用・抜粋はお断りします

 

 

翌日、郵便局より電話あり。配達した本人から。

一定の謝罪のあと、一応状況を確認された。

 


 

☆郵便局の報告

「配達時に破れていない、破ったわけではない」

・配達時には破れていない

・配達時に事故で破れた、ということはない

・破れた場合は、局に持ち帰り、補修し直接手渡す

・郵便物を乱暴に扱うことはない

・強引に折り曲げてポストに入れたことに関しては、
「郵便物は完全にポストに入れること」と上部から通達されている

・もし、破損が続くようであれば、誰かが故意にやった可能性もあり、
再度連絡がほしい



 

☆私の対応

・配達時に破損がない場合は、個人情報がらみの器物損壊として
警察などに被害届を出すことも検討する必要があると考えている

・当方としては「配達時に破損がなかった」のであれば、それが確かであったことを
確認したい

(郵便局;「一日にたくさんの配達をしているから一つ一つ覚えてはいないが、
たぶん、破損したら局に持ち帰るので、破損していない」)

・「たぶん」ではなく、「破損は絶対なかった」と言い切れるか

(郵便局;「絶対なかった」)

・「配達時に破損が絶対なかった、ということなので、被害届を含め、
こちらで後は検討する。
その際は、またそちらに調査などで手間をかけるかもしれない」

(郵便局;「今後、配達にはいっそう気をつける、スミマセンでした」)

・冊子を折り曲げてポストに入れるのはやめてほしいが、
今回の件でそちらが破損をさせていないのであれば謝る必要はない。

お手数をおかけしました。

 


 

【クレーム対応の評価】

責任を持つ管理職ではなく、その配達員から連絡を受けたことに関して、
私は非常に不満足である。

私の感想だが、その局員は常に自分の主張を繰り返していて、
話を自分のペースに持っていきたい様子であった。
特に、最後のほうでは、「とにかく話を終わらせたい」ようで
強引に話をまとめに入っていた。

とはいえ、彼は自己の責任を持って「絶対に破損していない」というのだから、
それを信じよう。

かくして、結局封筒が開封していた原因は不明であり、
今後の対応を思案している。

郵便局の言い分に従えば、

封筒は

・自分で勝手に開いた

または

・誰かが故意にあけた

ことになるわけである。

これは、大事だ。

 

 


 

 

今回の件から見えてくるのは、単なるクレーム対応の方法だけではない。
方法論以前の、もっと上位概念のあり方である。

結局、今回の問題は解決しなかった。
こうやって消費者にしわ寄せが来る。
しわ寄せを受けた消費者は、積極的にそのサービスを利用しようとするだろうか?

今回の件は、二つのことで防げたはずだ。

・封筒を、雨などに破れにくく、故意にあけたときにわかりやすい、ビニール製とする。

・配達は、強引に折り曲げてポストに入れるのではなく、面倒でも階段を上り、
新聞受けに入れる。

証券会社・郵便局ともに一つずつ。それをしている、していないでは、
結果に雲泥の差がある。

消費者の受け取り方をまず考え、対応するあり方が、企業には問われている。

それにしても、どうしよう。

 

 

 

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