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2009年06月 アーカイブ

2009年06月06日

中心市街地から追いやられる若い世代

まちづくりにとって、若い世代がそれを担っていくことは
おそらく必要不可欠であることだ。
一方で、特に商店街などで若い世代が少なく、活動の
担い手に問題を抱えている地域は多いだろう。

仕事柄、中心市街地や利用者数の多い駅周辺の
人口を調べることも多いが、よく見られる傾向がある。

それは、そのような地域の中心、商業の中心周辺
において、高齢化が進み人口減少が進んでいること。
一方で駅などから離れた郊外部において人口が増え、
若い世代がそこに住んでいることである。

これが何を意味するのか?

ある地域での商店街の仕事で、地域に住む高齢者のかたが
言ったことがあった。

「どうせ若い世代なんて、よその地域に家を買って町を捨てて出て行くんだろ」

自分はその若い世代だが、そうせざるを得ない若い世代の事情がよくわかる。

昭和の中ほどから発展してきたまちの多くにおいて、
まちの中心地やすでにインフラが整備尽くされた感のある利便性の高い
地域は当然すでに人が住んでいる。
当時から住んでいる人は、いまは高齢者や、それに近い年代の人々だ。
すると土地も少ないから、若い世代がそこに一戸建てを構える余地は
元から限られている。
また、そのような地域は当然地価が高いから、物件も高い。
一方で、時代は成長経済下になく、世帯収入の水準も上がらず、
低所得化と目に見える将来の負担増への不安が若い世代に重くのしかかっている。
さらに、物件があったとしても、何もないところに何かをたてればよい時代ではない。
建物の除却などの問題がかかわってくる。

そうすると、若い世代は利便性の高い町の中心などに住みたくても、
すむことができず、多少の不便を了解の上で郊外の家に住む選択肢しかない。
別にまちを捨てたくて他地域に行くのではない。
そのまちに住む場所がないから出て行かざるを得ない現状がある。

昔のように駅が新設され、その周辺に高齢者などがしっかり陣取っていたりすることがなく、
建物の除却の必要性など負の労力を考えないでいい、地価の安い更地ばかりが広がっている
時代ではない。
もし、そういう地域があれば当然若い人だってそのような利便性が高いところに住むのだ。

+++

若い世代が住みたい町の中心にすむことができず、中心地のあらゆるものが
高齢化していく現状。
このことはまちづくりにとって、適正な建物や商業、住民の更新が行われていない、
と見ることができる。
当然、人口の重心も変わってくる上に、中心地の商業などの魅力も
より低下してくるから、商業の重心や拠点も変わってくる。
いくら、中心商店街に若い人を呼んで活性化しようとしても、周辺の若手の人口も
減っていれば当然困難になってくる。
社会的コスト低減のために中心市街地にマンションを造って郊外部の高齢者を
住ませよう、などと取り組むのは悪いとは言わない。
しかし、まちの活力を若い世代が担うというのであれば、
住民の適正な世代構成の維持と、若い世代がすむことができる中心市街地の
環境づくりに取り組むことが重要ではないだろうか。

+++

中心市街地のある一定の面積を行政が所有し、
35年程度の定期借地権などのエリアを数地区、期限がずれるように設定し、
将来的に必ず順次住民の更新が発生して若い世代を維持する
ことなどはできないものだろうか、などと考えてしまう。

2009年06月30日

母猫に母性愛を見た

先程の話。

子猫を拾ったのだ。しかし、もう、手元にはいないのだが。

+++

事の経緯はこうだ。

事務所で名刺印刷の作業をしていた時、
ふと外で仔猫のしきりに鳴く声がするのに気づいた。

我が家の2匹の猫はすでに成猫、その声ではない。

窓から顔を出してみると、まだ1月ぐらいのヨチヨチした
子猫が、小雨に打たれながら隣家との壁際で壁を見上げて
鳴いていた。

今日は朝から我が家の周辺は雑草除去の業者さんが
作業をしており、その作業に驚いた親子が離れ離れに
なってしまったらしい。

まだ小さい子猫である。雨に打たれている。
すぐに保護しないと命が危険だ。

あわてて玄関を飛び出し(斜面に建つ我が家の玄関は
2階にある)、外の階段を下りて猫の保護に向かう。

子猫は壁際から離れ、駐車場の支柱と家の壁の間に
隠れるようにおびえていた。
そっと抱えあげると、バタバタ暴れる。
まだ、はぐれたてだろう、元気だ。
私の手は着実に”みみずばれ”が増えていく。

090630_093120 元気な男の子

 

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取り組みの過程にはVIKが大切

地域活性化、商店街の仕事をしていてよく感じることがある。

それは、目先・小手先のことをしようとしていることが多い、ということだ。

「とりあえず人をあつめたいからイベントをしたい」

「うまく売れるすべを教えてほしい」

「真似できる事例はないか」

こんな声はよくある。
でも結局は、何をどうするか決められず今までとおんなじことをしてしまう。

しかも、残念ながら消費者や地域住民は、そういう取組の姿勢に
対して大した期待もしなくなっているから、望むような成果が得られない。

これでは取り組んでいる当事者たちにとっては苦痛でしかない。
楽しいものなどには到底ならない。

「何をどうするか分からずに、結局同じことを繰り返してしまう理由」は簡単だ。

 

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