中間支援者が力を発揮するには

中間支援者が力を発揮するには

自分はずっと、中間支援者を領域として仕事をしている。

なので、
まちづくりにたいてい登場する関係機関や民間からは、
自分たちと同じ領域の仲間としても受け入れられない。

△△からは〇〇の人であって△△ではない、
〇〇では□□の人であって自分たちと同じではない、
□□からは△△の人であって自分たちと同じではない、
と言われる(以後ループ)。
実に孤独で宙ぶらりん、
そして不確定要素に満ちた立ち位置。

例えば業界的には「半官半民」という言葉があるが、
その場合、
官の人からは同じ仲間として認知されないし、
民からも同じ仲間として認知されない。
さらにはコンサルタントや専門家の業界内でも、
仲間という認知はされないのが典型的。

そのような立ち位置こそがまさに中間での価値になる。
公益性を重視するものであればなおさら。
それぞれの状況を理解し有機的につないだり、
それぞれの取り組みをよりブラッシュアップして、
実現化に近づけていくことができるからだ。

一方で、実に足元が危うい。
地盤も権限もないから、ということに尽きる。
それは、お金の面についても同様。

それがなければ、
あいつが何か言ってる。
あ、ここはいいこと聞いたからそこだけいただこう。
程度にしかならない。

この中間支援者が各方面に対して
有効な働きをできるためには何が必要か。

ここでいえば、
〇△□に対して有力な機関や人、施策が
いかにオーソライズするか、ということに尽きる。

〇△□の利害関係に直接的な影響力を持つ存在。
例えば
地域で頼られている経済界の有力者であったり、
選挙で選ばれた行政のトップであったり、
権限や補助金などを持つ官公庁の施策だったりする。

中活の界隈でいうと、
今は官公庁からの権限や施策面からのオーソライズはない。
総務省関連の専門人材面の支援はあるが、
中心市街地活性化という概念が基盤ではない。
よって、
中心市街地活性化を地域が進めていくにあたっては
経済界や首長がいかにオーソライズして行くか、
ということがキーになる。
(しかし、今の時代、潤沢な予算を持つそれらはむしろ少ない。
ゆえに、本来はそう言った部分を下支えするか、
ダイレクトに送り込む官公庁の施策やお金のつけ方が期待される)

そして最後に挙げるとしたら、
〇△□がいかに、中間支援者を自分たちにとって
有益な存在かを理解して連携して行けるかなのだろう。
それはれっきとした価値を創出している職業であり、
特殊な専門分野としてのプロの領域であり、
そこに対価が発生することは
普通の事業活動と変わらないという理解も必要だ。

それが不要だとすれば、
なぜ地域や組織は十分な時間があったはずなのに
前進できていないのか。
それを前進させることに価値がないのか?
その問いに尽きる。

その点からは、日本社会はまだ未熟であるような気がしている。

伊藤大海 1976.2生まれ 東京都日野市在住。 愛知県半田市中心市街地活性化市長特任顧問。 まちづくりコンサルタント。 経済産業大臣登録中小企業診断士。 地域の資源に目を向けた活性化プロジェクトや活性化エンジン組成、事業構想支援など。
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