我が子の文章添削に思う(長い。とても)

我が子の文章添削に思う(長い。とても)

我が7歳児の読書感想文の添削。
全体を音読させた後、
マンツーマンで1文ずつ読み解きつつ、
7歳児と修正案を考えながら整えていく。
  
子供の表現は面白い。
考え方や感性の特徴もよく見えてくる。
まだ語彙の少ない中で、素直に、時に苦労して表現している。
私にはできない切り口や表現を持っている。
 
それを決して殺さず、より活かし、伝わるように。
文章の基本を押さえながらも、彼が書くからこそ打ち出せる価値を大切に。
  
+++
私は小学5年生から高校生の間まで読売ジュニアプレスで記者活動をした。
ベトナム戦争の戦場記者上がりの「モーレツ」だった白石道弘編集長にマンツーマンで記事添削を受けたことを思い出す。
 
彼はとても厳しかった。
でも、決して「殺す」ことのない方だった。
 
取材や記事に臨む姿勢、文章の基本については随分厳しく指導されたが、
表現を「活かす」ことを常に一緒に考え、導いてくれる方だった。
 
考え方について議論することは多々あった。
曖昧な考え方は容赦なく問い詰め、突き詰められた。
一方で、私が強い確信を持つ思いは支持してもらえた。
決して、自分の表現に誘導するなんてことはなかった。
そうやって文章を書くなかで私はものの見方、伝え方、自分自身のことを知って行った。
  
編集長とのピリピリした緊張のやり取りの最中、突然、
「大海はすごい表現を使うんだな!」
と嬉しそうにこちらをみてくれた時の表情が忘れられない。
 
その一瞬は、自分が文章を書いている価値だと思えるねぎらいの瞬間でもあった。 
 
我が7歳児は、
親バカを承知で言えば、良い表現力を持っていると思う。
「え、突然なんでこれが出た?」と思うような起承転結の展開も悪くない。
 
ただ、彼が頭で考える表現の速度と、
手で書く文字の速度があまりに違いすぎるために
文章を書くことを億劫に思ってしまっている。
想像は広がるが文章は進まない。
(その気持ち、よくわかるけど)
 
 その表現、とてもいいね。
 みんなにちゃんと伝えようよ。
 伝わると、きっとうれしくなれるよ。
 
彼には文を書くことを好きになってもらえたら、と思う。
小学生という時期だからこそ身につけられること。
大人になってからではできないこと、作れない自分がある。
  
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私もまた、彼の文章添削を通じて改めて自分自身が文章を書くことが好きだということを思い出した。
それだけではない。
決して若いころは思わなかったことだけれど、子供達の文章指導などをしていけたら、と思う。
 
文章を丁寧に書く、ということが、
「形を取りつくろう」
のではなく
「生き方に寄り添う、作っていく」
ということだと思うからだ。
 
それは、とてもやりがいのあることかもしれない。
あの頃の白石編集長も、、、きっと、そうやって感じていただろうし、私という人間をみていてくれたのだと思う。
 
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「きみ、なにがすき?」
という絵本を読んだ我が7歳児の読書感想文の冒頭。
 
”なんでこの本をえらんだかというと、
「きみ、なにがすき」
と聞かれた気がしました。
「きみこそなにがすき」
と気になりました。”
 
受け止める感性。
相手への興味・関心を忘れずにいてくれたらと思う。
そしていつか、
育てられる人から育てる人に、
彼もまたなっていってほしいと願っている。
我が子の作文の添削。
文章という、書き手のエッセンスを絞り出すような、
それでいて新たな仕込みをしていくような作業。
マンツーマンで彼の人生に寄り添えるその時間を大切にしよう。
 
 
 
 
 
伊藤大海 1976.2生まれ 東京都日野市在住。 愛知県半田市中心市街地活性化市長特任顧問。 まちづくりコンサルタント。 経済産業大臣登録中小企業診断士。 地域の資源に目を向けた活性化プロジェクトや活性化エンジン組成、事業構想支援など。
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