前回の更新から時間が空いてしまいました。
相変わらず出張でバタバタしている間に中小機構の中活協議会全国勉強会での分科会を持ったり、恐山訪問、八戸三社大祭、多摩ニュータウンのお祭りなど動いておりました。
「再生産」
というタイトルです。
宮崎県日南市の油津商店街は、全国でも注目される衰退基調のエリアの活力回復モデルです。
ここ数年で10社以上の企業が商店街の空き店舗などに出店し、Uターンを中心とした20~30歳代の多くの人材が定着しています。
ここまで来るには様々な要素、行動、人、機関の存在があります。
そこは割愛しますが、ここで伝えたいことは、まちづくり会社「株式会社油津応援団」黒田社長の一言です。
「応援してくれる大人がいかに多いまちにしていけるか、じゃないでしょうか」
若い人、人材を決して一人にせず、その実現したいことをベテランの人間たちが時にリスクを負担しても応援する。環境をつくる。
そうやって油津では着実に事業が目に見えるものとなり、それも、センスの良い魅力的なものとして実現してきました。
これからを責任もって生きる年代、人材が、自分たちが力を発揮できるまちを作っていくことからの活力の「再生産」がそこにあります。
一方で、多くのまち、組織で感じるのは別の「再生産」です。
「上の年代が蓋をして、自分たちには決定権もない」
「自分たちを手足にして、上の年代は酒を飲んでいる」
そんな話はいまだに多く聞きます。特に、特定以上の年代が自分たちが若い年代のころから数十年も実権を握り続けている、という状況です。
それでは当然、次世代のリーダーも人材も増えなければ、そこに住みたいという次世代年代も出てこないでしょう。
なぜならば、適切な段階でマネジメント能力を鍛えていく場を得られなかったり、前世代が築いたインフラが現世代に適しているとは限らず、かえって大きな負担としてのしかかっているからです。生きてきた時代背景、資産形成など感覚、感性、行動、「できること」「できないこと」が全然違うのです。
時は流れ、そのような「実権を握り続けた」世代の引退が顕著になり、「場を与えられなかった」世代が決定権を持つようになっています。
そこで見られるのは決定権を持った世代が再び、これからの世代の蓋になっている光景です。30歳代、40歳代これからの自分たちのインフラを築き、責任を負う世代が手足になっている。
これは衰退の「再生産」です。
単純な年代論にするな!
若い奴に任そうとしても、居ないだろ!
そうおしかりを受けるかもしれません。
ただ、そのような叱咤の前に、一度落ち着いて地域の検証をしていただきたいと思います。
「押し付ける大人」が多いまちではなく
「応援できる大人」がいかに多いまちにできるか。
それによって地域における「再生産」の意味は大きく変わってくるのです。