ダメダメ張り紙の”排除するまち”にしないためには?

ダメダメ張り紙の”排除するまち”にしないためには?

 

我が家の近所。
素敵な林の散歩道だけど、犬の連れ込みが禁止されました。
何か、そうするだけの事情があったのでしょう。

このような「禁止」張り紙、
見渡せば町中のあちこちにあるような感がします。
公園も今や、禁止事項だらけでもはや何の場所だか、
なんてこともあるでしょう。
奇麗に整備された場所も
「スケボー禁止」「ポイ捨て禁止」「大声禁止」…
色々と見かけたことはありませんか。
素敵に飾られたショーウィンドウの横に、
「駐輪禁止」の張り紙。…台無しです。

こういった張り紙は、何らかの必要性や問題、
事情がありなされているのでしょう。
他者の権利を侵害したり、
公序良俗に明らかに反することは当然望ましいことではありません。

ただ、
確実に言えるのはこういった張り紙が目立つことは
景観を悪くするだけではなく、
まちを使う際の息苦しさや、
その街のイメージの低下につながるものでもある、
ということです。

「管理者の度量が狭い」
「管理者が清掃すればいい」

そんな声が聞こえてきそうですが、
人手も予算もじゃぶじゃぶあるなんてことはありませんし、
資産を他者に傷つけられることを看過はできないですから、
当然それは限界があります。

ではどうすれば、もっと快適に、心穏やかに使え、
景観をよく保てるのか?

それは、そこを使いたい人たちが管理する、
あるいは主体的に参加する、
自分たちで場をつくればいい、ということです。
そうすることで、

「〇〇してはいけません」

ではなく、

「〇〇してもオッケー!」

という表現に変えていけるよう意識や視点を変えること、
そして場をつくることが大切ではないでしょうか。

公園であれば、公園を使う人。
スケボーしたいなら、できる場をつくる。
ペットの散歩をするなら飼い主たちが連携する…

そう、これは『コミュニティ』がカギです。

禁止事項を増やして「排除するまち」にしていくのではなく、
主体的なコミュニティづくりから、
「〇〇できるまち」にしていくこと
これが気持ちよくまちを使うために大切なことだと感じています。

 

伊藤大海 1976.2生まれ 東京都日野市在住。 愛知県半田市中心市街地活性化市長特任顧問。 まちづくりコンサルタント。 経済産業大臣登録中小企業診断士。 地域の資源に目を向けた活性化プロジェクトや活性化エンジン組成、事業構想支援など。
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